和室が沈む。畳を上げたらシロアリ大被害!【被害現場レポート】
COLUMN
シロアリコラム
投稿日 2019.03.27 / 更新日 2021.01.13
シロアリ駆除
和室が沈む。畳を上げたらシロアリ大被害!【被害現場レポート】
WRITER
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木村 健人
しろあり防除施工士
シロアリ・木材腐朽菌に対する木材保存・薬剤性能評価について在学中に研究。2009年新卒でテオリアハウスクリニックに入社。数千件のシロアリ調査・駆除に従事。現在はWEBマーケティングを担当。
和室の畳の上を歩くと「ふかふか」する。なんだか「沈む」感じがする。そんな状態になっていたら、シロアリ被害の可能性大です!
今回ご紹介するのは、まさに和室が沈みかけているお宅のシロアリ被害についてです。普段からなんとなく床がペコペコする気がしていても、畳の表面が何ともなっていなければ、なかなか気づかないですし、あまり大ごとだと思いませんよね。でも、こちらの建物の状況を見ていただけば、その深刻さに気づいていただけるはずです。
目次
和室の畳が歪んでいる?
これが、その和室。ぱっと見たところ特に変わった様子はありません。
ですがよく見てみると、畳が歪んでいるのがわかりますよね?
角度を変えると、こんな感じで沈んでいるのがわかると思います。さすがにここまで畳が沈むと、床の裏側が大変なことになっているんじゃないか?と思うかも知れません。しかし、例えば「常に布団が敷いてある」であったり、「分厚いカーペットや荷物で分かりにくくなっている」などで、畳が沈んでいることに気づかずに生活を続けてしまうことがあります。
こちらの和室も、そのように大きな歪みや沈みに気づくのが遅れ、このような状態になってしまいました。
畳にシロアリ探知機を当ててみると
ターマトラックという機器は恐らくほとんどの方がご存じないと思います。写真の黄色い機材がターマトラック本体で、そこから電磁波を床に向けて当てることで、シロアリの動きを検知できる優れものです。いわゆる「シロアリ探知機」なのですが、反応を見てみると…。
スマートフォンに表示された”シロアリの動き”を表すグラフに反応が出ているようです。僅かな振動をも拾ってしまう繊細な機材ではありますが、このような反応の出方であればシロアリが生息している可能性は高いと言えます。
畳を恐る恐る上げてみる
畳は表と裏では見た目が異なります。本畳は写真のように畳表が張られていないのですが、その畳の裏側を良く見てみると、真ん中にシロアリが通った道がはっきりと付着していました。
そして、こちらが畳下の荒床の状態。意外にそこまで被害が無いように感じますが、それでもしっかりシロアリの痕跡は残されていました。
ですが、やはり床の歪み具合に対して荒床の痛みはそれ程ひどくありません。そして、荒床の上を歩くと床が落ちそうな沈みを感じます。
ということは…。この荒床の更に裏側(床下)の木材が酷く劣化しているのは間違いなさそうです。
床を剥がすと、床材が大変な事態に!
荒床は縦に細長い床材です。釘を抜いて簡単に外すことができるのですが、今回の荒床は釘が素手でも抜けるくらい簡単にはがせる状態でした。そして、荒床を剥がして出てきた木材(根太)が大変なことに…!
多くのシロアリ被害物件を見てきた我々ですら、唖然とする根太材の朽ち果て具合…。これ、私達が触って壊したのではなく、床板を剥がした状態でこの様な状態になっていました。
これは紛れもなくシロアリが食い荒らして木材を食べ尽くした後の恐ろしい姿です。この状態で床が抜けなかったのは不幸中の幸い。もしも、箪笥や棚が置かれていたら非常に危険な状態だったことでしょう。
これは進行中の被害なのか?
問題は大きな被害を受けていることですが、もう一つ、「この被害は進行中のものなのか、過去のものなのか」という点も大切な問題です。進行中の被害であれば、シロアリがそこでまだ活動中ということになりますので、より入念な駆除と修復が必要となります。
結論から言いますと、この家はシロアリが現在進行形で木材を加害していました。
木材内に生息するシロアリ。(ヤマトシロアリ)
最初にターマトラックでグラフに反応があった箇所では、シロアリが活発に木材の中で行列をなして活動しています。ここまで木材を食害してもなお、加害を止めずに被害を拡げ続けているのがシロアリ被害の怖いところです。
床板の下がこのような状態ということは、床下はどうなっているのかが気になります。実際に和室の下に入り、床下からシロアリ被害の状況を確認しました。
床下から見たら一目瞭然
これが和室下の状態です。垂れ下がっているのは、床板を支える「根太」と呼ばれる角材です。だいたい45mmの厚みがある木材なのですが、無残にもシロアリに中身をほぼ食べつくされて無くなっています。
写真の中央には束柱という床下の柱が伸びています。よく見ると、シロアリの通り道「蟻道(ぎどう)」が伸びて床方向に向かっています。ここからシロアリは木材に入り込み、普段の生活では見えないところで食害を続けていたのです。
どの様に処置すればいいか
ここまで被害が進行している場合、シロアリ駆除はもちろん必要ですが、それに加えて被害部材の交換が必要となります。交換には、床板を全て剥がして被害を受けた床組を全て組み直してから駆除、および復旧させなくてはなりません。
それには、より多くの費用と時間が必要となり、想定外の出費となってしまいます。また、シロアリ駆除の費用に比べ、被害部分の修復費は非常に高額になりがちです。
違和感を感じたら、放置せず確認するべき
もしも、「我が家も似たような状態…。」と思われた場合は、ぜひ状況をしっかり確認する必要があります。シロアリ被害は早め早めの対処が、家の安全性だけでなくコスト的にも優しくなります。特に、シロアリ被害は普段の生活で被害を見かけることが少ない劣化現象です。見えないところで被害は進行するため、手遅れになる前の対策が極めて重要となります。
シロアリ1番!では今回のような”シロアリ被害の調査”はもちろん、”シロアリ被害があるか分からないけど心配だから…。”という場合でも、無料にてシロアリ床下調査を受け付けております。ちょっとでも違和感を感じたのであれば、まずは自宅がどうなっているのかをしっかり把握することが大切です。この機会にシロアリ1番!の床下無料調査で、ご自宅の現状を把握してみてはいかがでしょうか。