床下換気扇の種類・施工方法について解説!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2019.02.13 / 更新日 2021.09.02

湿気・カビ腐れ対策

床下換気扇のメリット・種類・施工方法について解説!

WRITER

上野山典之

WRITER

上野山 典之

しろあり防除施工士

上野山典之

2015年新卒でテオリアハウスクリニックに入社。シロアリ防除工事に従事し、1000件を超える住宅メンテナンスに携わる。毒物劇物取扱責任者や第二種電気工事士など多数の資格を所有。

「床下換気扇に興味があります。床下換気扇って今でも必要ですか?詳しく知りたいです。」

 
こんにちは。シロアリ1番!の上野山です。今回はこのような疑問にお応えします。

「床下換気扇」という名前を聞いたことはあっても

  • 床下換気扇ってどんな商品なの?
  • 私の家も置いた方がいいの?
  • どれくらいの費用がかかるの?
  • 悪徳業者もいるって本当?

 
など、床下換気扇についての情報は知らないことが多いのではないかと思います。

また、「悪徳業者が不必要な床下換気扇をいくつも設置した」などのネガティブなイメージばかりが耳に入りがちな方が多いのではないかと思います。

確かに悪意を持って売りつけようとする業者も中には存在します。しかし本来、床下換気扇はとても便利な道具なのです。

このページではシロアリ1番!でも設置サービスを行なっている床下換気扇について詳しく解説していきます。

そもそも床下換気扇は何をする機械?


そもそも床下換気扇とはどんな商品なのでしょうか?

一言で言うと「ファンの力で床下の湿気を取り除く装置」です。

「床下が湿気っぽいのは当たり前じゃないの?」と思われるかもしれませんが、床下の湿気が高すぎると住宅に様々なリスクが生まれます。

例を挙げると

  • クモやゴキブリが住み着く
  • カビが繁殖しやすくなる
  • 腐朽菌が繁殖する
  • シロアリが寄ってくる

 

などです。

クモやゴキブリが住み着く
まず、クモ、ゴキブリなどの害虫が床下に住み着きやすくなります。

虫はジメジメしている場所をより好むからです。点検にお伺いしても、湿度の高い床下では蜘蛛の巣やゴキブリの卵などをよく見かけます。

カビが繁殖しやすくなる

湿度の高い床下は虫だけでなくカビの菌も繁殖しやすくなります。

1階の押入れの中がカビ臭くなってしまうのは床下からの湿気が上がってきていることが原因として考えられます。床下のカビは住んでいる人間にも影響を与えます。

なぜかというと、日本では床下の空気が「気流」という形で壁の中を通って天井まで流れていく仕組みの家が多く、さらにその空気の一部は見えない隙間を通って、家の中にも入ってくるからです。

腐朽菌が繁殖する
さらに、菌の中には、カビよりもさらに厄介な「腐朽菌」というものがあります。腐朽菌とカビの菌の大きな違いは「木材を分解できること」です。

腐朽菌に根付かれた木材は万が一の地震で建物が倒れてしまうリスクもとても大きくなります。腐朽菌もやはり床下の湿度が上がると繁殖しやすくなります。

シロアリが寄ってくる
ヤマトシロアリの巣
一応クモやゴキブリならば床下に住み着かれたとしても無視することができます。しかし、中には無視するわけにはいかない害虫も存在します。「シロアリ」です。

シロアリは建物の木材をエサにして生きる昆虫ですので、シロアリが寄ってきてしまうと住宅に必要な木材がどんどん食べられることになってしまいます。

 
このように、湿度の高い床下は建物にとっていい環境とは言えません。床下の湿気対策は建物のメンテナンスにとって非常に重視すべきポイントです。

もちろん、このようなことが起こらないよう、住宅には基礎パッキンや通気口など床下に湿気をためないための工夫がされています。

しかし、元々の立地条件や建物の建てられ方などによっては空気の入れ替えがうまくいかず、床下に湿気が溜まってしまう事があります。

そして「床下換気扇」は、床下の湿気対策の非常に心強い味方です。

電気の力でパワフルに床下の空気を入れ替え、調湿剤や防湿シートよりもしっかりと確実に床下のジメジメをなくすことができます。

床下換気扇さえつけておけば、1階の湿っぽさや押入れのカビ臭さで困ることはほぼなくなるでしょう。

床下換気扇は2〜4台ほどあればいい

床下換気扇を設置する時に考えなければいけないのは「設置台数」と「床下換気扇のタイプ」です。

「業者に任せておけばいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、ある程度自分で正しい知識を持っておくことも大切です。なぜかというと、お金儲けのことだけを考えて無茶苦茶な提案をする悪徳業者が少なからずいるからです。

自分で「これは流石におかしい」と思えるようにしておけば万が一の被害にも遭わなくて済みます。

床下換気扇の設置台数とタイプについて詳しく解説していきます。

床下換気扇のタイプ
まず、床下換気扇のタイプには大きく

  • 給排気型
  • 拡散型
  • 攪拌型

 
の3つのタイプがあります。

給排気型の床下換気扇は「空気の入れ替え」のための換気扇です。

通気口の付近に設置して

  • 床下の空気を外に排出する
  • 外の空気を床下に取り入れる

 
という目的で使います。

拡散型や攪拌型の床下換気扇は「空気のかき混ぜ」のための換気扇です。

空気の流れが悪い場所に設置して、周囲の空気が床下に溜まり続けてしまう事を防ぎます。とはいえ、最近のモデルでは攪拌型は使わずに「拡散型」だけでも十分な役割を果たすことができます。

つまり、必要な床下換気扇は給排気型と拡散型の2種類です。

効果
給排気型換気扇 通気口付近に設置します。
外気と床下の空気の入れ替えを行います
拡散型換気扇 空気の流れの悪くなる場所に設置します。
強い風を送ることにより空気の流れをつくります。
床下換気扇の設置台数
さて、これらの床下換気扇の設置台数ですが、30坪程度までの広さであれば2~4台ほどが目安です。必要以上にたくさん設置してしまうと、かえって床下の換気性能を弱くしてしまいます。なぜかというと、空気の給排気のルートが作られにくくなるからです。

注意しなければいけないのは、床下換気扇を何台も設置させようとしてくる業者です。実際に点検にお伺いした物件でも、全ての通気口に換気扇が設置されている、という事例がありました。

2〜4台以上の床下換気扇の設置を進めてきた時は疑うようにしましょう。

床下換気扇の注意点

床下換気扇についてよくいただく疑問や注意点として

  • 床下換気扇の形状
  • 床上で電源を確保する
  • 月々の電気代

 
についてご紹介します。

床下換気扇の形状
旧型の床下換気扇
床下の湿気対策に非常に効果的な床下換気扇ですが、「吸排気型の換気扇の形」には注意しておくことをおすすめします。具体的には、通気口を完全に塞いでしまう形をした床下換気扇はおすすめできません。なぜかというと、かえって通気性が悪くなるリスクがあるからです。

床下換気扇は24時間つけっぱなしにするわけではなく、一定の時間だけ計画的に運転させます。しかし通気口を完全に塞いでしまうタイプの床下換気扇では、停止させている間は通気性を失ってしまう事になります。

最近のモデルは通気口を完全に塞がない作りになっており、停止中も空気の流れが悪くなる事はありません。しかし、昔の床下換気扇だと、該当するタイプのものも存在します。

もし、「うちはもう床下換気扇を取り付けているから」という場合でも形状によっては交換をした方がいいこともあるので注意が必要です。

床上で電源を確保する
床下換気扇の運転には電源が必要です。リモコンとの兼ね合いもあり、床下換気扇の電源は基本的に室内のコンセント1つ分を使って確保します。

配線の計画は事前に十分に検討するようにしましょう。シロアリ1番!での床下換気扇の設置工事を行う場合も、どこから電源を取ればいいのか、詳しくご提案させていただいています。

月々の電気代
お客様からたまにいただくのが「床下換気扇はどれくらいの電気代がかかるの?」というご質問です。

床下換気扇のランニングコストはとても安く、運転に必要な電気代の目安は月に100円程度です。

1ヶ月に100円玉1枚で湿気に関する悩みをほぼほぼ解決できることを考えれば、非常にコストパフォーマンスに優れているのではないかと思います。

床下換気扇の施工方法

「床下換気扇がどのようなものかはわかったけど、実際にどうやって設置する工事を行うのか詳しく知りたい」

と思われたかもしれません。

ここからはシロアリ1番!が実際にお客様のお家で行った床下換気扇の設置工事の様子をご紹介していきます。

作業は大まかに

  • 床下に進入する準備
  • 床下換気扇の設置・配線
  • リモコンの設置

 
の順番で行います。

1.養生・点検口の作成
和室下の点検口作成前

まずは配線を通すための点検口作成を行います。事前に周辺に養生を行います。

2.換気扇の設置
床下換気扇
通気口周辺

床下に換気扇を設置します。給入口を通気口にセットします。完全に通気口を塞いでいないので、電源を切っている時も通気口から換気を行うことができます。

3.コントローラーの設置
床下換気扇に配線をし、床上のコントローラーと接続します。
コントローラーを使用可能な状態にして作業完了です。

まとめ

シロアリ調査のイメージ
今回は床下換気扇の種類や施工方法についてご紹介してきました。

床下換気扇は、住宅の湿気やカビ臭さを解決できるとても便利な道具です。もしこのような悩みを抱えているのであれば、床下に置いてみることをおすすめします。

ただし、誤った使い方だと床下の環境を逆に悪化させてしまう可能性もありますし、必要以上に買わせようとしてくる悪徳業者にも十分気をつける必要があります。

また、そもそも床下換気扇の設置が不要な建物も、もちろん存在します。こちらのページでは、湿気対策が必要なのか不要なのかを判断する方法について詳しく説明していますので、ぜひご覧ください。

▼床下の湿気対策はやった方がいい?効果や種類を詳しく解説
www.shiroari-ichiban.com/contents/column/moisture-conditioning/

 

シロアリ1番!では、シロアリの無料調査に加えて、床下換気扇の設置工事についてのお見積もりも行っています。もしお建物の湿気やカビ臭さが気になるようでしたら、是非一度ご相談ください。ご連絡、心よりお待ちしています。