シロアリを放置すると危険な理由|シロアリ1番!
COLUMN
シロアリコラム
投稿日 2019.05.22 / 更新日 2021.03.08
シロアリ駆除
シロアリを放置すると危険な理由
WRITER
大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel
シロアリの羽アリは5月の第1週あたりから出現し始めます。シロアリ1番!(運営会社:テオリアハウスクリニック)にも
「家の中に大量のシロアリの羽が落ちていた」
「浴室の木枠の隙間からシロアリと思う生き物が出てきた」
という問い合わせがたくさん寄せられました。築年数や床下の種類や被害が発生した場所により提案内容は様々ですので、私たちは実際の工事の前に無料のシロアリ調査を実施してヒアリングを行うようにしています。しかしそうやって数々のお客様とお話をする中で1つ気になる点がありました。それは
「2~3年前から羽アリが出てくるようになった」
「毎年この時期になるとここから羽アリが出てくる」
というお話しをされるお客様が一定数おられるということです。これは言い換えると「シロアリが発生したが特に何も対策を行わなかった年がある」ということになりますが、非常に危険でリスクのある選択になります。今回は「何故羽アリが発生したのに放置してしまうのか」、「羽アリを放置するとどうなるのか」という2つのテーマに沿ってお話をしていきます。
目次
何故シロアリが発生したのに放置してしまうのか
羽アリを放置してしまう大きな原因はやはり「これで解決した」と勘違いをしてしまうからだと思います。
先ほどは「何も対策を行わなかったお客様」とご紹介しましたが、本当に何もしなかったわけではありません。「羽アリが出てくる隙間から殺虫スプレーを吹き込んだ」「浴室の壁から羽アリが出てきたときはシャワーを当てて流すようにしている」と話をされる方が多くいます。羽アリはこちらが特に何もしなくても発生から数日で収まります。なのでそれを「駆除しきれた」と思ってしまわれるのでしょう。しかしそれは大きな間違いです。
シロアリの羽アリを放置すると危険な理由
羽アリが家の隙間から飛び出してくるのはシロアリの「群飛」と言われる現象です。シロアリは集団でコロニーを作り生活をしますがコロニーの中のシロアリの数が多くなった時、一部のシロアリは新しい住処を求めて地上に飛び立ちます。
この時シロアリは少しでも生き残る可能性を高くするために集団で飛び出そうとする性質を持っています。辺り一面で動き回る羽アリを見て
「今まで幼虫だったものが成虫になって羽が生えて飛び出してきたのではないか」
と思われる方も多いようです。また、非常に大量の数である羽アリが収まると
「いなくなって安心」
とも思ってしまうのでしょう。
しかし覚えておかなければいけなのは「羽アリはそこにいるシロアリの中のごく一部」だということ、「床下で大きなシロアリの被害が現在進行形で発生している可能性が大きい」という点です。
シロアリを放置する期間が長いほど建物へのリスクが大きくなる
そのような状況で羽アリが収まったからといって何も行わなければどうなるかはもう想像がついてしまうと思います。床下でシロアリのコロニーは家の木を食べながら拡大を続け、翌年になると再び羽アリを飛ばします。
確かにシロアリは小さな生き物なので被害が急速に進む訳ではなくその対応も刻一刻を争う、というわけではありません。とは言えそこに存在するシロアリの「本隊」を放置してしまうとじわじわと被害が進行し、気づいた頃には大きな損害を被ることになってしまいます。
軽度な被害であればシロアリの駆除だけで済んだところが、被害があまりにも大きいため部材ごと交換する必要がある、となった場合には駆除にかかる費用を大きく上回る出費となってしまいます。また、木造住宅の場合は構造体が被害に遭い強度が低下していると、万が一地震が発生した時には倒壊のリスクも大きくなりますし、そうでなくても建物そのものの寿命を縮めてしまうことに変わりはありません。
結論:家の中でシロアリを見かけたら放置せずにすぐ相談を
羽アリは何もしなくても自然と収まると先ほども少しご紹介しましたが、実は私たちシロアリ業者も羽アリそのものに対して行える対策は限られています。本当に重要なのはその羽アリが発生した被害元を突き止め、そこを根城にしているシロアリに対する対策を行うことなのです。
羽アリの発生は建物の危険信号のサインです。もし見かけたときは建物にシロアリの被害が発生していると考えられます。自分で対応してしまおうとせずに一度専門家に相談するようにしましょう。正しい知識を身につけて正しく家を守りましょう。
もし「羽アリを見かけたので一度調査をして欲しい」と思われたときは、問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。