シロアリの原因はこれ!被害に遭わない為に気つけること|シロアリ1番!
COLUMN
シロアリコラム
投稿日 2017.01.11 / 更新日 2023.02.20
シロアリ駆除
シロアリの原因はこれ!被害に遭わない為に気つけること
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大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel
シロアリの被害に遭うと建物の強度が低下したり、それを補修するために予想外の出費をしたりと様々な悪い連鎖の原因になってしまいます。建物がシロアリの被害に遭わないようにすることが何より大切です。
シロアリの被害に遭ってしまう建物にはある程度の共通する原因があります。
このページではシロアリの被害が起きてしまう原因や、シロアリの被害に遭わないように気を付けることについてご紹介していきます。
目次
シロアリが発生してしまう原因
①湿度の高さ
シロアリに限らず虫は基本的に湿った場所を好みます。シロアリも乾燥にとても弱くちょっとでも水が足りなくなると弱ってしまいます。
家の中でシロアリの被害に遭いやすい場所の1つに「在来浴室(タイル風呂)」があります。タイル風呂は床が土間になっており、そこから下に水分がしみ込んでいくので他の場所よりも湿度が高くなりやすくなっています。同じ理由で、玄関のタイルをよく水洗いしている場合、その真下はシロアリにとって住みやすい環境が出来上がっているので注意が必要です。
そのほかにも
・通気が上手く行われていない床下
・元々水になっていた場所を埋め立てて作った土地
なども家全体の湿度が高くなってしまう傾向にあります。
湿度の高さを抑えるには
在来浴室である場合は、ユニットバスに交換することで浴室下の湿気を大幅に減らすことができます。また、床下全体の湿気については床下換気扇や調湿剤を設置することで、状況の改善が見込めます。
また、通気口は床下の空気を換気する大切な役割を持っています。時折通気口の目の前にゴミ箱などの荷物を置かれているような方を見かけることがありますが、建物にとってはあまり良くない状態ですので、目の前に置かないようにするか、壁際から若干間隔を開けて置くようにしましょう。
②木材の腐朽
シロアリが発生してしまう大きな原因として挙げられるのは「木材の腐朽」です。
木材元々はカビなど普通の菌ではなかなか分解できない丈夫な成分でできています。
しかし、「木材腐朽菌」と呼ばれる菌は木の成分も分解して自分の栄養にしてしまいます。
更に木材腐朽菌の中でも「白色腐朽菌」や「褐色腐朽菌」と呼ばれる菌は木材を分解したときにシロアリをおびき寄せる成分を作る事がこれまでの研究により分かっています。
腐朽により柔らかくなった木材をシロアリがかみ砕いていく、といったイメージでしょうか。
シロアリの被害に遭わないようにするためにはシロアリをおびき寄せる原因となっている腐朽を防ぐことが大きな前提条件だと言っていいでしょう。
木材の腐朽を防ぐには
木材が腐朽する原因はやはり「水気の多い環境」です。木材が含む水分は季節により変わってきますし、多少の湿気で腐朽が大きく進んでしまう事はありません。
しかし何か不具合が起き、木材がずっと濡れている状態になってしまっていると腐朽菌の活動は活発になり、木材に深刻なダメージを与えてしまいます。
不具合の例としては配管からの水漏れや雨漏りなどが考えられます。先程ご紹介したタイル風呂の土台がシロアリの被害に遭いやすいのは、大元をたどれば湿気が原因ですが、正確には湿気が原因で発生する腐朽が起きやすくなることが原因なのです。
木材の腐朽を防ぐにはやはり木材をぬらさずに保つことです。
③光が当たらない環境
シロアリ被害に遭われた多くの方が「これまでシロアリなんて見たことがなかった」と言われています。それはシロアリの光を嫌う習性が原因です。
シロアリの肌はとても弱く少しの光でもダメージを受けてしまいます。なのでシロアリは普段は土の下で過ごし、地上に木を食べにくるときも光が当たらないように土のトンネルを作りながら移動します。
ですがこれは言い換えれば「光が当たらない場所はシロアリにとって住み心地がいい場所」ということになります。シロアリの被害に遭いやすい次の場所を想像してみてください。
・ウッドデッキの下
・日陰に置かれた廃材
・床下
どれも光が当たらない場所に置かれている木材であることが分かります。
シロアリが廃材たどり着きにくくする
建物外周でシロアリの被害を受けないようにするには、その原因である「影」を作らないように心がけましょう。
また、廃材を地面に直接おいてしまうとシロアリは土のトンネルを作らなくても自分の巣と廃材とを行ったり来たりできるようになってしまいます。ここもある意味では「光があたらない空間」であるといえます。
一時的に外周で保管する場合はビニール製のシートなどを間にかませてシロアリが廃材まで到達しにくくなるように工夫をしましょう。
最近の家はここがシロアリ発生の原因となる!
ここまではシロアリの被害に遭ってしまう本質的な原因である「光」「腐朽」「湿気」などについてご紹介してきました。
ここからは少し視点を変えて、シロアリの被害に遭いやすい建物は実際にどういった部分がこれらの原因を生み出しているのかご紹介していきます。
断熱材
近年の住宅は優れた性能の断熱材を使っており、冷暖房の暖かさや涼しさが逃げていかない住み心地のいい家が多くなりました。
しかしその分、風通しの良かった昔の住まいに比べて湿気はこもりやすく、風通しは悪くなり、シロアリの原因に繋がる結露や腐朽が発生しやすくなる傾向にもあります。
また、基礎に断熱材を貼りつけて家の断熱性能を上げる「基礎断熱」もシロアリ被害の原因となっています。断熱材と基礎の隙間をシロアリが進行してしまう
点検時にシロアリの兆候を発見することも、駆除の工事をすることも難しい事例も出てきました。
また、構造部材が壁の内側に隠れる工法が主流になったため、壁内部の腐朽やシロアリ被害の発生が発見しにくくなっています。
壁の構造
昔の住まいは、柱などの構造部材が露出している「真壁造り」が主流だったため、部材の状態が悪くなると早期に発見ができ、取り替えも容易でした。
しかし、今の住まいはコストや見た目、耐震性などの観点から、柱が壁の内側に隠れる「大壁造り」が主流となっています。また、玄関下がコンクリートで覆われていたり、浴室や洗面周辺なども密閉している造りになりました。
昔であれば、すぐに取り替えることが出来た木材も、今の住まいでは難しくなっているので、シロアリ被害に遭う前に予防対策をとることが大切になっています。
床下の高さ
建物の高さには地域によって制限があります。たとえば第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域に分類される場所では、建物の高さは10mあるいは12mまでとなっています。
このように高さの制限のあるエリアの中で、三階建てなどの住宅を作る場合、室内の高さを確保するために床下の高さを低くとることがあります。建物によっては床下空間が全くないこともあります。
神社仏閣に代表されるように、古来からの日本の建築は床下を高くとることで通気性をよくし、シロアリや腐朽による劣化を防いでいました。通気性の面以外でも、床下に高さがあると人が入って点検・メンテナンスが容易にできるというメリットがあります。
床下の高さが低い住まいは建物を支える基礎周辺の通気性が低く、湿気が溜まりやすく腐朽が発生したり、シロアリの被害に遭ってもその駆除工事のために大掛かりな大工工事が必要になる場合があります。
定期的なシロアリ予防工事をしていないことが最も大きな原因
ここまで建物がシロアリの被害に遭いやすくなるいろいろな原因をご紹介してきました。しかし、最も大きな原因は「シロアリ予防工事をおこなっていないこと」であるといえるでしょう。
建物は年数が経てば経つほど、どんどんシロアリのリスクが上がっていきます。
冒頭で「シロアリは日本全国どこにでもすんでいる」とお伝えしました。確かに様々なシロアリの被害に遭いやすくなる原因に対する対策を行うことも大切ですが、あくまでもシロアリの被害に「遭いにくく」なるだけで根本的な解決策であるとは言えません。
やはりシロアリ予防工事を定期的に行っていただき、住宅のメンテナンスを行うことが一番のシロアリ対策となることを覚えておきましょう。
シロアリ1番!では床下の無料点検やシロアリ予防工事の無料お見積もりを実施しています。
「一度床下の状態を見ておきたい!」と思われた方は是非お申込みいただければと思います。
それ以外にも「分からないことがあるので教えてほしい」といったご質問にもお答えしますので是非お気軽にご相談ください。