シロアリの「羽化」って何？どうして羽が生えるの？

シロアリは地面の中で過ごす生き物ということは皆さんもイメージできると思います。しかしそのシロアリにも羽が生えることをご存じでしょうか。ある時期だけ、シロアリは羽化をして羽をつけるのです。この記事ではシロアリが羽化する理由について解説します。

シロアリが羽化する理由

羽化とは一般的に昆虫が幼虫または蛹から成虫へと脱皮・変態する過程のことを指します。羽化はシロアリだけでなく、昆虫の世界ではごく普通に行われる行為なんですね。身近な昆虫だと、トンボや蝶、セミなどが馴染みが深いです。

（写真）羽化の前段階であるニンフ。シロアリには多くの階級があるが、羽化できるのはニンフしかいない。

（写真）羽化直後のテネラル個体。白く透き通っているが時間が経つと本来の色がつく。

 
シロアリで言うところの羽化というのはニンフから羽アリへと変態を遂げる際の行為を指します。シロアリが羽化を行うのは、次世代の子孫を残すための繁殖行動が取れる形態へと姿を変えるためです。

これは他の昆虫にも言えます。ほとんどの昆虫では羽化後は食事も取ることなく雌は雄を呼び寄せ、雄は雌を求めて動き回ります。

羽化したシロアリはどこで見かける？

羽化したシロアリは通常は繁殖のため、野外つまり土中部から地上面に出てきます。その際、食害をしている木部、建物外で言えば例えば木の杭であったり、腐朽した切り株などではその光景を目にする機会が多いです。

（写真）ヤマトシロアリの成虫（通称羽アリ）。羽化直後から時間が経つと黒色となる。

（写真）シロアリの食害を受けた木杭。こういった場所から羽アリが出てくることが多い。

その他、土中に埋まった枕木、立ち枯れた木、廃材からも出ることがあります。多い時で一度に数百から数千もの数で群飛（ぐんぴ）を行うためその光景は正に圧巻の一言につきます。

シロアリが活動している場所では羽化した羽アリを見る可能性があるので、屋外だけに留まらず屋内での発見も多々聞かれます。その際、発見される場所は主に活動が活発化している箇所が多いので必然的に湿度の高くなりやすい場所、つまり水廻り関係の場所が多いように思えます。具体的には浴室、洗面所、キッチン、トイレ、玄関などです。

また、シロアリの羽アリは窓回りで発見されることも多くあります。これは「走光性」という光に集まる習性があるからです。ですので、窓回りに集まっていても出てきたのは別の場所、ということもあります。

家の中で羽化した時は要注意

そして、屋外での発見であればそれは自然現象となるのであまり気にする必要はありません。

しかし、もし屋内で発見された場合、特に大量に出てきた、羽が散乱している、集まっている箇所を見つけてしまった場合は要注意しなければなりません。

（写真）浴室で発生したシロアリの羽アリ。浴室で出た場合は壁内や床下などに大きな被害がある。

（写真）床下の被害。羽アリが出た現場の床下は往々にしてこのような被害が生じている。

羽アリの存在は私たちにとっては一種のシグナルです。群飛をするということはその巣はもう次世代の子孫を残さなければならないほどの大きさに成長したことを意味します。つまり、建物のどこかに大きな被害があることに他なりません。

まとめ

シロアリが羽化をして羽アリとなったとき、屋外で発生する分には問題ないですが屋内での発生は早急な対応が望ましいケースが多々あります。

羽アリ自体はご自身で簡単に駆除することができますが、本体の巣は専門業者でないとなかなか駆除することができません。もちろんシロアリ1番！でもシロアリ被害に関する調査を無料にて実施中ですので、羽化した羽アリが大発生した場合など、気になることがあればお気軽にご相談ください。

シロアリの被害は被害が進行する前に対処することが大切です。

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