シロアリの兆候を知ろう!侵入前後の痕跡をご紹介|シロアリ1番!
COLUMN
シロアリコラム
投稿日 2021.01.09
シロアリ駆除
シロアリの兆候を知ろう!侵入前後の痕跡をご紹介
WRITER
大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel
このような疑問にお答えします。
シロアリの存在を疑う兆候には
「目に見える兆候」と「目に見えない兆候」
があります。
このページではそれぞれの兆候について解説していきます。
目次
目に見えるシロアリの兆候
目に見えるシロアリの兆候として挙げられるのは
- 蟻道
- 蟻土
- 木材の亀裂
- 羽アリ
です。
目に見える兆候①:「蟻道」
目に見えるシロアリの兆候として挙げられるのは「蟻道」です。
蟻道は、シロアリが作る空気や光を避けるためのトンネル状の道で、土や糞でできています。
蟻道は主に
- 床下の基礎・束
- 建物外周部の杭
- 外部基礎
などで見かけることができます。
蟻道を見つけるコツは「他よりも湿度が高い箇所」に目を付けること。
例えば
- 生垣に取り付けられている杭
- 外回りの荷物の裏側
- 外水道の裏
などを見て回るといいでしょう(もちろん、見つからないことも多くあります)。
注意点は、「これってシロアリの蟻道なんじゃ?」と間違えてしまう存在です。
一つは「クロアリの蟻道」、もう一つは「クモの巣」です。
これらはシロアリと違い建物に直接害を与えることはありません。
クロアリの蟻道
よく道ばたを歩いているクロアリ達からは想像もつかないので、「クロアリが蟻道なんて作るの?」と思われるかも知れません。
しかし、種類によってはクロアリも蟻道を作りますし、シロアリが作るものともよく似ています。
「トビイロケアリ」がその代表例です。
見分け方をご紹介します。
1つ目のポイントは「材料」です。
シロアリの蟻道は主に「土」から作られます。
ですので見た目は正しく「土が固まったもの」という感じになります。
一方、トビイロケアリの蟻道は「木屑」「ゴミ」「土」が混ざり合っています。
その分見た目も「いろんなものが混ざりあっているな」という印象を受けるはずです。
二つ目のポイントは「硬さ」です。
蟻道を触れてみると一目瞭然なのですが、シロアリの蟻道は頑丈なので指で一部を壊しても全体が崩れることはありません。
一方トビイロケアリの蟻道は非常にもろく、触ると形を留めることなく崩れてバラバラになります。
この特徴を覚えていれば、もし蟻道を見つけた時に迷う心配はありません。
クモの巣
クモの巣というと円形のネバネバしたものを多いと思いますが、地面の下で生活をしているジグモの仲間はシロアリの蟻道と似たような巣を作ります。
シロアリ1番!でもお問合せや調査の際に聞かれることが多くあり、見慣れていなければ見た目での区別は難しいかも知れません。
ジグモの巣は材料は糸なのですが、それを筒状にして棒状の巣を作り、さらに土を被せてカモフラージュしています。そのためシロアリの蟻道と間違われやすいのです。
これも実際に触ってみるとすぐに見分けがつきます。
ふわふわしていて弾力があり、千切るとクモの糸が繊維状に現れるのですぐにクモだと分かるはずです。
目に見える兆候②:「蟻土」
蟻道と並んでシロアリを疑わなければならない兆候に「蟻土」があります。
蟻道は主に移動のための道として利用されるものですが、蟻土はシロアリが木を食べる場所で風などが入らないように表面を覆うための土です。
材料は蟻道と同じ土ですが、円状や扇状に広がって作られるのが特徴です。
シロアリ以外の生き物で「土で物を覆う」という習性を持った昆虫はいないため、もしこの症状が見つかった場合はほぼシロアリとみてよいでしょう。
また、蟻土とは少し異なりますが、例えば壁と荷物の間でシロアリの被害に遭ったとします。
するとその間に通り道を作ろうと土を持ってくるため、壁や荷物の表面に土の染みのようなものが無数に張り付きます。この染みはとても硬く、削っても取れません。
このような現象も他の昆虫では見られませんので、シロアリと考えて間違いありません。
目に見える兆候③:「木材の亀裂」
ここからはシロアリの被害がある程度進んだ時に見られる兆候をご紹介をします。
もし思い当たる節があるならばシロアリの被害が進んでいる証拠ですので、すぐに対策することをおすすめします。
一つ目は柱などに見られる「木材の亀裂」です。
シロアリは木材の内側の柔らかい部分を好んで食べ、外側の硬い部分を残す習性がありますが、内側がシロアリに食べられた木材にはだんだん線状の穴が空いていきます。
この現象はシロアリ特有のものです。
それに対し他の木材加害害虫として知られる
- ヒラタキクイムシ
- シバンムシ類
- オオナガシンクイ
といった甲虫類は皆「円状」の穴を開けますので、簡単に見分ける事ができます。
シロアリが作る木材の亀裂のもう1つの大きな特徴は、亀裂の中に「土」が詰まっていることが多いということです。
その土は先ほども挙げた「蟻土」と同じく固められているのが特徴です。
なお、先程登場したトビイロケアリは、自分で木材を食害する事はないものの、木材にできた空洞などに土や木屑を持ち込む習性があります。
クロアリが持ち込んだ土は固くなく、ただ土や木屑が溜まっているのが特徴ですので判断の基準としてください。
目に見える兆候④:「羽アリ」
春先の4月~5月はヤマトシロアリの結婚飛行の季節で、この時期が来ると無数の羽アリが外部に飛び出します。
この現象がもし室内で発生した場合は、もう既に建物のどこかが被害に遭っていることを意味します。
ただし、これにも間違えやすい現象が存在します。それは同じ時期に飛ぶ「クロアリの羽アリ」です。
この時期に飛び出すクロアリには
- 4月:クロナガアリ
- 5月~:クロヤマアリ
がいます。
これらのクロアリはシロアリと同じ時期に結婚飛行を行うため、室内に出た際に間違われてしまうことがあるのです。
シロアリとクロアリの判別方法についてはこちらに詳しく載せていますので是非参考にしてください。
▼シロアリとクロアリを見分ける方法は?
www.shiroari-ichiban.com/contents/column/how-to-distinguish-termites-ants/
目に見えないシロアリの兆候
ここからは目には見えないシロアリの兆候についてご紹介していきます。
代表的な兆候は二つあります。
一つは「床鳴りや床の沈み」、もう一つは「木材を叩いた際の空洞音」です。
目に見えない兆候①:「床鳴りや床の沈み」
床鳴りや床の沈みは確認する事が難しい「床下」で被害が進行する場合に現れる兆候です。
いつもは歩いていてもなにも音などしなかったのに、急にギシギシと床鳴りが起こり始めた場合はシロアリである可能性が考えられます。
これは、シロアリに床を支える束や大引きといった木材を食べられた事で、強度が下がり床を支えられなくなる事により起こります。
とはいえ、ただ単に経年劣化による接着面の剥がれである事もありますので、必ずしもシロアリであるとは言い切れません。
床の沈みについても、シロアリの被害で強度が落ちて上に乗った時に木材が凹むことが原因です。
ただし、こちらも床鳴りと同じく
- 経年劣化による接着面の剥がれ
- 土壌面の沈みによる束の浮き
等も考えられますのでシロアリと決めつけることはできません。
とはいえシロアリの兆候である事に変わりはありませんので、覚えておくと良いでしょう。
目に見えない兆候②:「木材の空洞音」
先ほどもご紹介したようにシロアリは内側の木だけを食べようとするので、中々見た目で気づくのは困難です。
とはいえ、できることなら早いうちに異変に気付きたいものです。そこでヒントになるのが「音」です。
玄関の巾木や框、ドア枠などを手でコンコンと叩いてみましょう。
通常ならば中身がしっかりと詰まっている音がしますが、シロアリによって食べられている木材は「空洞音」がします。
手軽に行えるチェック方法なので、是非試してみてください。
まとめ:シロアリは兆候が現れる前の「予防」が大事
今回はシロアリの様々な兆候についてご紹介してきました。
シロアリという生き物は侵入の前後で必ずと言ってよいほど「痕跡」を残します。
しかしその兆候は総じて分かりづらく、普段からよほど気にしていない限りは発見が遅れてしまうことがしばしばです。
そのため、皆さんがシロアリだと気付いた時は「被害が進行した時の兆候」である事が多く、覚悟が必要です。
では被害を未然に防ぐにはどうすればいいでしょうか。
それは「定期的な予防」です。
シロアリは5年を目安に定期的に床下に防蟻処理を施すことで、その侵入をほぼ確実に阻止することができます。
被害が出てから動くのではなく、未然に防ぐという発想がとても大切なのです。
シロアリ1番!では床下の無料点検を実施しています。
もし、「床下にシロアリが侵入していないか心配・・・」という方は是非お気軽にお申し込みください。