シロアリ駆除は天然素材で行うべき?注意すべき点を解説!|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2020.08.03 / 更新日 2023.05.23

シロアリ駆除シロアリ業者選び

シロアリ駆除は天然素材で行うべき?注意すべき点を解説!

WRITER

田中勇史

WRITER

田中 勇史

(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員

田中勇史

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel

「シロアリ駆除は天然素材で行いたいと思っています。住んでいる人の安全を考えればそっちの方がいいですよね。天然素材のシロアリ駆除剤について詳しく知りたいです」

 

このような疑問にお答えします。

結論から言うと天然成分のシロアリ駆除剤を使う時はある程度の事前知識を持っていないと「思っていたのと違った」ということになりかねません。この記事では天然成分を用いたシロアリ駆除剤について

  • 天然素材のシロアリ駆除剤に使われる代表的な成分
  • 天然素材のシロアリ駆除剤が使われる理由
  • 天然素材のシロアリ駆除剤の注意点

 

といったテーマでご紹介していきます。

シロアリ1番!が選ばれる理由

天然素材のシロアリ駆除剤の成分

除虫菊

天然素材と言われるシロアリ駆除剤の代表的な成分や原料として

  • ピレトリン(天然成分由来)
  • ヒバ油
  • ホウ酸

 

などが挙げられます。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

ピレトリン(天然成分由来)

ピレトリンは「除虫菊」という植物から取り出したピレスロイド系の殺虫成分です。ピレトリンは蚊取り線香や殺虫スプレーの成分としても利用されています。

除虫菊から直接取り出したピレトリンは「天然ピレトリン」と呼ばれます。これは科学的に作ったピレスロイド系殺虫剤との区別を行うためです。

実はピレトリンは化学合成で同様の効果を持つ成分を作ることが可能です。

化学合成で作った成分は「合成ピレスロイド」と呼ばれており、市販の蚊取り線香や殺虫スプレーに大半は合成ピレスロイドが使用されています。

ヒバ油

ヒバ油はヒバ(ヒノキアスナロ)という樹木を蒸留することで精油として取り出したものです。ヒバ油には「ヒノキチオール」という成分が含まれていますが、ヒノキチオールには殺菌・抗菌作用があるため、シロアリの予防に利用されることがあります。

また、ヒノキチオールはヒバだけでなく、ヒノキなどにも含まれています。ヒノキやヒバはベイスギやベイマツなどに比べてシロアリに食べられにくいと言われていますが、これはヒノキチオールやそれと似たような働きを持つ成分を含んでいるからです。

ホウ酸

ホウ酸は、ホウ酸塩鉱物と呼ばれる「鉱物」から取り出されます。

ホウ酸といえばゴキブリを駆除するための「ホウ酸ダンゴ」が有名ですが、ホウ酸はゴキブリの仲間であるシロアリの駆除にも用いられることがあります。

また、鉱物由来であることからその効果が長期間持続するのも特徴で、建物の外に設置するベイト剤や木材への加圧注入処理の成分などにホウ酸が利用されるケースもあります。

天然素材のシロアリ駆除剤が使われる理由

シロアリ駆除に天然素材を使用される理由として最も挙げられるのはやはり「安全性」です。

かつて2000年代に日本では「シックハウス症候群」と呼ばれる健康障害が社会問題になりました。家にいるだけで頭痛やめまい、吐き気などの症状が出てきてしまうというものですが、シックハウス症候群の原因の1つになっていたのが当時の強過ぎるシロアリの薬剤でした。

このことから、「人体への安全性」がより意識されるようになり、生まれてきたのが「天然成分のシロアリ薬剤」というフレーズです。

とはいえ、そのような方は、現在市場に出回っているシロアリ薬剤は、かつてシックハウス症候群の原因となったような強力過ぎるシロアリ駆除剤が様々な問題を引き起こしたことへの反省から「人体に害が及ばない程度」の成分を使うように調整されているということも覚えておいて損はないでしょう。

その証拠に、かつては一度散布すると何十年もその効果が持続しましたが、現在ではその効果は5年ほどで自然に分解されるように設計されています。

天然素材のシロアリ駆除剤で注意すべきこと

天然素材のシロアリ駆除剤で注意すべき点として

  • 自然界にそのまま存在する物質というわけではない
  • 天然成分であっても人体に有害な物質は存在する
  • 実際の製品には化学物質が含まれているものもある

 

などが挙げられます。

自然界にそのまま存在する物質というわけではない

「天然成分」と聞くと「自然の素材をそのまま活かしている」と思われがちですが、実際は「天然成分由来」と表記されているものもあります。これは「天然成分から抽出して作られた」という意味で「自然界には存在しない物質である」ことを意味します。

天然成分であっても人体に有害な物質は存在する

そもそも天然素材であれば人体に安全であるとはいい切れません。例えば、トリカブトのように元々人体に強い毒性を持っている植物も存在していますので、「天然=安全」という認識は危険であるといえます。

実際の製品には化学物質が含まれているものもある

例え天然成分を使った薬剤であったとしても、それが「製品のどれくらいの割合を占めているのか」という問題があります。例えば、「有効成分には天然成分由来のものを使用しています」といった製品の場合は、全体として見ればほぼ化学物質でできている、という場合もあるので注意が必要です。

化学成分でも安全性の高い施工は行える!

今回は天然素材をうたうシロアリの薬剤について注意点を解説してきました。

天然素材のシロアリ薬剤は効果がないわけではありませんが、化学成分で作られた薬剤と比較した際にほとんどメリットがないのが現状です。また「天然成分だから」という理由で非常に高価な価格設定を行う悪徳業者も存在しますので注意が必要です。

シロアリ1番!では工事には天然素材ではなく化学成分を使用していますが、(公社)日本しろあり対策協会により認定されている安全性が十分検証されている薬剤を使用しているため、安心して施工を行なっていただくことが可能です。

使用している薬剤や施工方法について、資料請求も承っていますので、興味がある方はお気軽にご相談ください!

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