ベイト工法のシロアリ駆除、費用はどれくらいかかるの?|シロアリ1番!

COLUMN

シロアリコラム

投稿日 2020.05.09 / 更新日 2023.06.19

シロアリ駆除

ベイト工法のシロアリ駆除、費用はどれくらいかかるの?

WRITER

田中勇史

WRITER

田中 勇史

(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員

田中勇史

大学では昆虫類の研究に携わる。2007年テオリアハウスクリニックに新卒入社。これまで3000件を超える家屋の床下を調査。皇居内の施設や帝釈天といった重要文化財の蟻害調査も実施。大学の海外調査にも協力。しろあり防除施工士。白蟻専科研究室長。
YouTube:シロアリ駆除Channel

「ベイト工法の費用っていくらですか?」
「ベイト工法でのシロアリ駆除の相場は?」

今回はこのような疑問を持たれている方のためにベイト工法で行うシロアリ駆除について、費用に影響を与える要因や費用面で注意すること、実際にベイト工法を実施した事例について解説します。

ベイト工法の相場

ベイト工法の費用は、建物の外周長で算出されます。一般的なシロアリ防除工事の場合は、1階の床面積で算出しますのでやや特殊な方式です。

ベイト工法 通常の工法
算出方法 建物外周長(メートル) 1階床面積(㎡単価)

そして、ベイト工法の契約方式は年間契約となる場合が多く、1年目は初年度費用、2年目以降は年間維持費用がかかります。

初年度費用相場 3,000円〜5,000円/m
2年目以降相場 1,000円〜2,000円/m

実際のベイト工法でのシロアリ駆除でかかった費用の例

ベイト工法の相場については前章の通りですが、実際にどれくらい費用がかかるかを想像しにくいかもしれません。そこで実際にかかる費用を実例を基に解説します。

埼玉県富士見市での施工事例

▼シロアリ対策としてのベイト工法施工事例(富士見市)
www.shiroari-ichiban.com/contents/casestudy/20180515bait-fujimi/

1階床面積 56㎡
建物外周長 約35m(建物外周長)
初年度 約140,000円
次年度以降年間 約52,000円

 
築年数20年の物件で施工を行なった際の様子です。初年度の費用は約140,000円、2年目以降は52,500円の年間維持費用がかかります。

埼玉県羽生市での施工事例

▼羽生市でのベイト工法による木造家屋のシロアリ予防の施工事例
www.shiroari-ichiban.com/contents/casestudy/20180919hanyu/

1階床面積 130㎡
建物外周長 約50m
初年度 約200,000円
次年度以降 約75,000円

 
築年数130年の歴史ある物件で施工を行なった際の様子です。面積が130㎡を超える大きな建物で初年度の費用は約200,000円、2年目以降は75,000円程度の維持費用がかかります。

ベイト工法でのシロアリ駆除費用を決める要因

ベイト工法でのシロアリ駆除にかかる費用を決める要因には、ベイト工法の種類や家の大きさ、家周りの条件、床下の状況などがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

ベイト工法の種類

ベイト工法とは毒エサを巣まで持ち運んでもらいコロニー全体のシロアリ駆除を行うというあくまでも大雑把なシロアリ駆除の手法の事をいいます。なのでベイト工法と一概にいっても様々な商品が存在します。

  • アゴラトラップ
  • エクステラ
  • セントリコンシステム
  • セントリコンオールウェイズアクティブ

それぞれベイト剤の成分やベイト剤の設置方法、管理方法など具体的なシロアリ駆除の方法は異なります。また、複数のベイト工法を取り扱うシロアリ駆除業者によってはそれぞれの方法で費用が異なる場合があります。

家の大きさ

ベイト工法でのシロアリ駆除にかかる費用は建物外周の長さで決まります。設置施工費は、1メートルあたり3,000円~5,000円程度が目安です。また、支払い方法が業者によって異なり、5年ごと支払い1年ごと支払い1ヶ月ごと支払いに分かれます。

5年一括の場合 8,000円〜11,000円/m程度
1年毎支払いの場合 初年度:3,000円〜5,000円/m程度
2年目以降:1500円/m程度
1ヶ月毎支払いの場合 初回:3,000円〜5,000円/m程度
2ヶ月目以降:150円/m程度

単価の目安は上記の通りです。基本的には初回は施工費に管理費が加算されるため割高となりますが、以降の管理費用は1ヶ月換算で150円/1m程度の金額となります。

コンクリートのコア抜き費用

ベイト工法でシロアリ駆除を行うには建物の外周に一定間隔でベイト剤を設置する必要があります。しかし、駐車場スペースなど部分的に地面がコンクリートで覆われている場合も考えられます。そのような場合はコアドリルを使ってベイト剤を設置する穴を作る必要があります。

コア抜き

コンクリートを部分的に切り取る(コア抜きする)ことでその下の土にベイト剤を設置することができるようになります。コア抜きは専門的な技術や施工者への負担、作業時間もかかるため追加で費用が発生します。家の周りのコンクリート部分が多いほど費用がかさむため、全面がコンクリートの場合はあまり現実的な施工とは言えません。

コア抜き相場 1箇所:15,000円〜18,000円程度

また、シロアリ駆除業者によっては1箇所あたり2,000円程度と非常に安い値段でコア抜きを実施している場合がありますが、安全面や機材、ドリルビットの交換費用等を踏まえると、上記相場で実施する業者を選択することが大切です。

床下の状況

根太のシロアリ被害

シロアリ駆除はベイト工法で行う場合も液状の薬剤で行う場合もまずは床下の正確な状況を把握しておく必要があります。(構造上床下がない場合や床高が低すぎて入れない場合を除く)

  • 床下に入る点検口を新たに作る必要がある
  • 床下で大きなシロアリの被害が見つかり部材を替える必要がある

 
こういった状況では別途見積もりを行う必要があり、その分費用がかかることになります。

シロアリ駆除をベイト工法で行う時に費用面で注意すること

「設置」と「管理」で費用がかかる

ベイト工法でのシロアリ駆除はベイト剤を設置するというイメージは持っていると思いますが、ベイト剤は設置して終わりではなく定期的に管理をする必要があることをご存知でしょうか。ベイト剤はしっかりとシロアリが食べてくれているのかを把握するのはもちろんですが、それ以外に起こる事象に対処する必要があります。

  • ベイト剤にカビが生えている
  • 餌が少なくなってきている
  • 他の生き物が住み着いてしまっている
  • ベイト剤を入れる容器が劣化している

そのため、ベイト工法は管理を定期的に行うことが前提となっています。点検の回数はベイト工法の種類によって変わりますが、1回の点検ごとに費用が発生することになります。そのため、液剤での施工に比べてシロアリ駆除にかかる費用はどうしても割高になってしまう傾向にあるということを覚えておきましょう。

格安のベイト剤に注意が必要な理由

「かなり格安でベイト工法でのシロアリ駆除を行なってくれる業者を見かけるけど、同じベイト工法なのにどういった違いがあるの?」、というご質問をいただくことがあります。要因はいくつかあると思いますがその中でも特に大きな両者の違いは使用するベイト剤の品質であるといっていいでしょう。

確かに同じベイト剤である以上、シロアリ駆除を行うまでの過程は同じだと思いますが、そもそもベイト剤はシロアリが食べてくれないことには効果を発揮することはできません。
表面的な価格だけで判断するのではなく「どのようなベイト剤を使って施工を行うのか」「品質が保証されているベイト剤でシロアリ駆除を行なってくれるのか」という視点を持つことが大切です。

ベイト工法について詳しい解説は下記コラムが参考になります
ベイト工法の効果とは?シロアリ対策にオススメできる本当の理由

ベイト工法でのシロアリ駆除費用のお見積りをご検討の方に

ここまで、ベイト工法でのシロアリ駆除にかかる費用を実例を交えながらご紹介しました。「費用の計算方法について詳しく知りたい!」という方は下記のページでより詳しくご紹介していますのでご覧いただけると嬉しいです。

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